眠り姫異聞
魔女によっていばらの茂る城で眠り続けることになったお姫様。
そう、眠り姫、もしくは眠れる森の美女。あまりにも有名なお話。
でも、このお話、隠された秘密があるのです。

幸せな結婚をした白雪姫。
きっかけは継母が誤って林檎に仕込んだほれ薬でしたが、薬の効き目は1日だけ。
それでもお互いの愛情や慈しみがあって、愛溢れる幸せな日々を送っていました。

ところで、王子様には狡賢くて凶暴な弟がいました。
弟の王子は、とても美しい妃をむかえた兄のことをとても羨ましく思っていました。
なぜこんなにも素敵な異国の美女と出会えたのか聞くと、
兄の王子様は7人の小人、毒りんごのこと、どうやらりんごに薬が仕込まれていたこと、
全て話しました。

ちょうどこの時、ある噂が国中を騒がせていました。
隣の国の、時間が止まり、いばらに閉ざされたお城に
とても若くて美しい姫君がずっと眠っているという噂。
幾多の勇者が姫君を助け出そうとしましたが、いばらと魔女に行く手を阻まれ
生きて帰ってきたものはいないという。

もちろん、弟の王子はこの噂を知っていました。
眠り姫を助けて、自分の妃に迎えたいとも思っていました。
そこで国で一番有名な魔法使いを呼び、
魔法使いは王子の頼みどおり魔法の剣と鎧、惚れ薬を用意しました。

剣の威力はすさまじく、あっという間に魔女を討伐し、姫の眠る部屋にたどり着きました。
王子は惚れ薬を自分の唇に塗って口づけをすると、
眠り姫はゆっくりを目を開き、王子のプロポーズを受け入れました。
その後、城中の人たちの時間が動き出し、王様もお妃様も、眠り姫の結婚を盛大に祝いました。

しかし、この結婚は姫にとって悲劇の始まりだったのです。
なにしろ人生の伴侶となった王子は狡猾で凶暴、薬の効き目が切れてしまっては、
姫にとって好きになれる要素はこれっぽっちもありません。
薬が切れてからというもの、姫は王子に辟易していました。
しかし王子は独占欲が強くていつも姫をはなそうとはせず、さらには
姫が自分の言うことを聞かないと手をあげる事さえありました。
しかも姫が自分のことを好いていないと分かると、何度も惚れ薬を飲ませる始末。
そのうちに姫はノイローゼになってしまい、ろくに食事も喉を通らず、
かわいそうなくらいに痩せ細ってしまいました。
ついにはストレスのあまり発狂して、衛兵の斧を取り上げて
自分の足の指を切断してしまいました。

見も心もボロボロになった姫を待ち受けていたのは離婚でした。
見違えるような姿になってしまった姫のことを、王子は飽きてしまったのです。
あまつさえ王子は姫を城から追い出そうとまで考えていたのです。

さて、幸せになるはずのヒロインはこれからどうなってしまうのでしょうか
=続く=
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